●H16年9月21日(火):
財界九州「10月号、No.961」に「
デイ・サービスセンターはまゆう」が紹介されました。
「記事全文」
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宮崎の堅実2社が新分野に挑戦!
03年度の宮崎建設業の破たん件数は49件(負債総額約83億円)。ピーク時(99年)に約6400社あった建設業者数は、約6000件にまで減っている。国や自治体からの公共事業の縮小が最大の要因であることは疑いようもない。「三位一体改革により官公庁からの発注は減り、経営環境が一層厳しくなることは確実」
(地元建設業者)なだけに、"脱・公共事業"。と新規事業の開拓が急がれる。そんな中、すでに数社で、新分野への進出を模索する動きがある。代表的なのが老人ホームや高齢者マンションの管理・運営などだ。
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一方、「第一建設」は、同業界としては県内初となるデイ・サービスセンターを開設。「旭建設」は、焼酎の製造・販売を開始した。
「将来は事業の柱の1つに据えたい」−両社の社長は、新規事業の拡大に意欲を見せる。
◆県業界初のデイ・サービスセンターは安定化にめど
第一建設(宮崎市、橋邉 忠司社長)は03年6月、宮崎市と隣接する高岡町に「デイ・サービスセンターはまゆう」を開所した。子会社が運営し、センター長は同社から派遣。スタッフは生活指導員や看護士など11人。定員は25人で、同市と周辺5町を対象地域とする。
同所の敷地は、もともと資材置き場として利用していた場所。施設だけなら3分の2程度の事業費で開設できるのも魅力だった。
「所有不動産と人材を有効活用できると判断し」(橋邉社長)、
県内の建設業界としては初めて福祉分野に参入した。 「最初からすんなりと新規事業として福祉関連を想定していたわけではない」
と橋邉 社長。「10年以上も前から企業体質を変換する必要性は感じていた」同社長が、最初に検討したのは産業廃棄物の処理事業。環境問題への関心の高まりを受け、「建設関連産業ならば本業のノウハウを生かしやすい」との発想からだった。しかし、「処分場問題やこれに伴う住民理解など、事業化には問題点が少なくなかった」ためやむなく断念した。
そんな中、00年の介護保険法の施行が同分野参入への直接的な契機となった。全国の施設を視察するなど約一年かけて検討を重ねた結果、事業化を決定。だが、「全く畑違いの分野なだけに、03年上期は試行錯誤の連続だった」。
最大の悩みは、1日平均で5〜6人という低い利用率。この要因を「地域密着経営と経営者マインドの不足」とみた橋邉社長は、欠員となっていたスタッフに経験豊富な人材を登用。サービス内容を見直すとともに広報活動を徹底した。
すると平均利用者数は一気に倍増し、同年の下期には「何とか採算ラインに乗った」。04年度中にはさらに、1日平均の利用者数10人増を見込んでおり、「経常利益年間1000万円を安定的に確保できる体制にしたい」とする。 一方で、本社社員の活用策も進む。
全社員には、ホームヘルパーなど福祉関係の資格取得を積極的に推奨。03年12月には橋邉社長自ら、ヘルパー2級資格を取得した。福祉関係の資格を加算手当てに含めることで、社員の取得意欲を高めている。
第2次計画として、05年度中のグループホームもしくはショートステイ施設の開所を予定。さらに、介護施設の建設や介護・福祉器具レンタルの事業化も見据えている。「事業安定化のめどは付きつつある。難しい部分もあるが、さらにサービスの質を高め地域に密着した経営を推し進めたい」と橋邉社長は語る。